平成30年6月14日(木)
アドバンスコース特別企画として樹木検品講習および荻野寿也景観設計で荻野先生の講義を開催しました。
ティーズガーデンスクールではこのような特別企画をOBの生徒さまにも声掛けさせていただき開催しています。
初めましてでもすぐに仲良くなれる。すばらしいバス内のムード。これから素敵な学びがあるという一つの方向を目指いる同志だからこそ素敵な空気が流れます。
スクール生ならではの特典講習。今回は第一回目でしたが一期生二期生との交流も一気に深まり
全員笑顔の素晴らしい課外授業となりました。ご協力いただだいた関係者さまには、
大変感謝しております。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
名古屋からマイクロバスで現地まで、現地近くでピックアップする生徒と初めて顔を見る人もいたため急遽、現場で自己紹介から始まりました。
苗場ではスタッフの方から目からうろこの植物情報をたくさん教えていただきました。
「庭樹園さんでは、日本一という心意気を強く感じました。
関西と東北の植生の違いはあれども、東北から多くの樹木が行っている事が認識できました。
私もこの業界に入って、下請けの造園屋さんの畑を見て回ってプランを考えていたことを思い出しました。
また、建築と庭というキーワードがこれから発展していくだろうと感じました。
畑の植物が、人の手により生き生きととしていたことに、品質管理の良さを感じました。
樹は形。
畑で見た植物をいかに現場に活かし、生産農家さんと共に現場を作っていく事の重要性を再認識しました」。
「私の知る限りの庭木の卸販売を行っている人は、言われ たサイズの樹をただ売るだけ。
そこに想いはなく、どういった庭を造るから、こういう樹が欲しい という事を説明しても理解してもらえません。
庭樹園の専務さんの話は、樹が沢山あるから凄いとか、日本中どこからでも樹を仕入れられるとか、そう いった卸業、商売の話ではなく、庭というものを考え、どうしていくべきか分かったうえで、そ こに必要な樹を用意してくれている、「良い樹をたくさん用意しているから、お前らはそれを使っていい 庭を作れ!」そんな事を言っているような愛情を深く感じ受けました」。
樹木選びのポイントを直接指導。
座学では学べない 本物を体感していただきます。
「第4講の宿題で「自分で庭木の設計をする」という課題があった為、一生懸命イメージの庭木を探しました。
気が付くと、それぞれの樹に対し、すこしづつ感情を抱いている自分に気づきました。おそらく後半では、木々に対し、「かっこいいね~」「可愛い」「上品だね」「元気だね」「大きいなあ~」と独り言を言っていた気がします。
たくさん並んでいたアオダモたちも、ほんの少しですが個性を感じたり、シマトネリコばかりいる林の片隅にひっそりたたずむシャリンバイがいたずら小僧に見えたり・・・
知った風なことを書いている自分がすでに恥ずかしいのですが、そんな時間を過ごすことができました。
彼らを仕入れ、お客さんの庭に据える際に、戸高先生は子供を見送る気持ちなのかな?と思いながら山を歩かせて頂きました。山を歩きながら、先生がムツゴロウさんに見えてくるほど、植物と仲がいいのだろうなという目でみておりました」。
観る目を養うには想い。意識を変えることが重要。講義を含め一貫して学んでいただいているテーマの一つでもあります。
生徒さんたちも熱心に意見を交わし植物と会話をしているよう。
感想のなかに
「植木畑を歩いているだけで時間を忘れてしまうほどのめりこんでおり、自然の偉大さを感じているとの事で自然のすばらしさを伝えていく仕事をしていることに誇りを感じているという言葉に私も大変共感しながらお話させて頂きました。
庭木を植えつける際に、樹の向きが難しいと戸高先生に聞いたら、樹に聞けばいいと言われたと言う言葉の意味が不明だと仰っていましたが、専務は数年後だれかに、そういっているような気がします。
それほど、あのアルミ主体のエクステリア屋が夢中になってしまうほどの雑木への魅力というのが、私をどんどん変えて行っているという実感があります、もっと知りたいと考えている私自身にワクワクしています」。
名古屋から2時間半、狭いバスの中で天気も移り変わり、どこに行くのかはっきりとわからぬミステリーツアーのような雰囲気で、元気がいまいちなかった生徒さん達。緑の山の中を歩き回っているうちに目が生き生きと変化していました。オーラもすがすがしくとても心地よい空気が流れています。
本校の生徒さんたちは本当に樹が大好きなんだな。と実感します。
帰る際には「もう頭がおなかいっぱいです」と充実した時間を過ごせたコメントが飛び交っていました。
「今回の研修はとても楽しみにしていましたが、想像以上に濃厚で有意義な時間を過ごす事が出来ました。今まで見た事ないくらい沢山の樹木がありビックリしました。スタッフの方が樹木の特徴などを詳しく教えてくださりとても面白く興味深い時間となりました。
時間も少なかったのでほんの一部しか見学することができませんでしたが、私にとって一生忘れられない研修となりましたし、やっぱり樹木の力は凄いな。
やっぱり樹木・自然が好きだと感じることができました」。
「普段、樹木を選ぶ機会があまりないので目移りしてしまうほど、面白い樹がたくさんありとてもワクワクしました。
いつもであれば、方角と土壌、落葉か常緑を選ぶことしかできず、なんとなく歪な樹でも現場にあった樹であれば剪定して工事を進めていたのですが、ココでは現場にあう理想の1本が最初からあり、それを見つける楽しさがありました。
私はまっすぐ伸びて手を広げたような枝張が綺麗だと思っていましたが横に伸ばした形も特徴的で面白くこういうのがアクセントになるのだなと感じました」。
続いて、マイクロバスに乗り込み荻野寿也景観設計に移動そこで荻野先生の講義
快く生徒を迎えてくれた荻野先生には大変感謝しております。
早速、最近完成した社屋の説明をしていただきました。
「荻野寿也先生の考え方・事務所には圧巻しました。
ビルダー面と造園知識の融合が素晴らしかったです。自然の植物を上手に使い、作ったぞ感がでないようにする植栽はセンスが問われると感じました。
植物に関しても従来あまり使用しないアカマツ・ドウダン・サクラなどをふんだんに使用することに驚きました。
八掛けや鳥居支柱を使用しない植栽方法の素晴らしさを実際見たのは初めてだったので感動しました」。
「荻野先生の考え方も非常に衝撃を受けました。雑誌や噂話で聞いてきた方ですが、あくまでも庭の為の庭ではなく、住空間の為の庭という考え方から、建築における庭という観点からの設計となる為、居間や建築内部からの眺めが常に中心でした。
その為、建築に自然に溶け込んでいる庭の施工例の数々に感動でした。特に、自然環境を壊さず利用する設計を信念としており、GLをそのまま利用したり、植えた感のない庭木であったり庭があることで建築の価値が上がっていることを、瞬時に判断出きる設計で、庭の持つ魅力、緑の持つ魅力と責任という本当に大きな視野での庭の存在価値というものを教えていただけたと感じております。
事務所がとても素敵でこんな場所で仕事ができるなんて毎日出勤する時間もワクワクするだろうなと思いました。
早く家に帰りたくなるような空間・外構をお客様に提案していきたいと改めて強く思いました。
戸髙先生もお話してくださいましたが、荻野先生も人が多く集まるのは木が高い所とおっしゃったように私たちが生活していく上で植物は欠かせないもの。
植物なしで私たちは生きていけない。そう思います。
もっとお客様に植物の必要性や良い所を伝えることができれば、植栽を取り入れた提案が出来るのではと思いました。
「日本人の特徴なのかもしれませんが、より頑丈で快適な家を求めてハウスメーカーさんに依頼されることが多いですが、造園の力で建築を後押しし、地域の工務店さんが盛り上がっていったら同じような形の家が立ち並ぶ景色ではなく、本当に里山の景色が出来ていくと思いました。
荻野先生や戸高先生の作るお庭は日本人が忘れかけていることをもう一度見直すきっかけになるお庭だと思います」。
「本や雑誌で見ていた本人が、目の前にいるという事でかなりの興奮状態でしたが、あの穏やかな話し 方、雰囲気が、まるで森の中にいるような癒しを感じたのは、私だけなのでしょうか??
とても不思議な感じでしたが、あの人柄だからこそ、あの庭が作れるのかな、そんな風にも思いま した。 デザインや庭の勉強をする前に、人としてどうなのか?という事を勉強しないと、あのような庭 は作れないという事が分かったような気がします。
素朴・調和・こじんまり・経年変化、緑によってできるコミュニティー等々、今まで携わってきたエクス テリア業界の中では、避けられているようなテーマを大事になさっていて、自分自身もその業界に疑問を 感じて独立したので、今自分自身がやっていること、方向性は間違っていないのだなと、そこに向かって 突き進もうと思いました」。
「初めてお会いしましたが、設計事務所に近い印象を受けました。非常に真似したいスタイルです。
日本の庭師の職能を上げる為に先ず出来ること。
それは自分達が仕事に直結した技術だけでは無く、教養を深める勉強をする事。
名旅館に宿泊する事、いい料理を食す事、名建築を見る事
非常に感銘を受けました」。
「樹木が欲しくなるプレゼンの方法、樹のストーリーを組み立てること、商談中にささっと描けるスケッチや、気持ちがよいと感じる寸法、風水・・・
細かく分けると課題が山積みです。いいものをたくさん見るインプットも大事ですが、どこが良いと感じるのかしっかりアウトプットまでしないといけないと思います」。
「今回、2 日間の講義を受講し、造園を生業とするものとして、大いに反省をさせられまし た。
植物を中心に庭つくりを考え進めていくのが、本来造園家のあるべき姿なのに、いつの まにか建物があり、エクステリアがあり、最後に植物を配置するという流れに何の疑問もな くなっていました。
外構工事、アルミ工事に依存している現状にとても恥ずかしい思いにな り、もう一度造園の仕事をはじめたときのような、初心にかえらなければと痛感しました。
戸髙学長、庭樹園さん、荻野寿也先生の話を聞き、なんで緑を増やす仕事を始めたの に、いつのまにか緑をメインではなく、庭のアイテムの一つと考えるようになったんだろう と、しらずしらずに脱線していた自分を認識できました。
荻野先生の質問の答えのなかで 「造園業界に足りないのは勉強」という言葉を聞き、本当にくやしくて涙が出ました。
植物 のことを改めて勉強し直し、庭のなかでは緑が必ず必要であることを、自信をもってお客様 に伝えることができるようになることが大切だと思いました」。
緑の重要性を肌で感じることで 後世に緑の重要性を伝えるガーデンエバンジェリストに生まれ変わる瞬間を見届けた気がします。